播州三木打刃物

(かんな)
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三木金物の鉋の特長

平安時代までは槍鉋(やりがんな)による
木材を削る作業にたよってましたが
職人の英知により今日のような
台付のものが生まれました。
三木では文政2年(1828年)6件の鉋鍛冶が
あったと記されており、
鋼と鉄の鍛接ー鍛造ー焼入れー裏研ぎー
泥塗りー盃取りー台付けなど
21工程を経て製品となった鉋は、何回削っても
切れ味のすばらしい高級な鉋として
大工仲間で大変関心が高まり、伝統技術を
駆使した道具として好評を博しています。

製造工程

1鋼づくり

鋼を刃部のサイズに切断する。

2鉄づくり

鉄(軟鉄、釜地)を必要なサイズに加工する。

3鍛接

鉄と鋼を接合する作業。鉄に接合剤を付け、高温(1000~1100℃)に加熱し槌で叩いて接合する。

4鍛造

鍛接したものを加熱(800~900℃)に加熱し、槌で鍛えながら形を造る。

5焼なまし

鍛接、鍛造で乱れた鋼の組織を750℃に熱した炉に入れ、ゆっくりと冷やし組織を球状化する

6鋼直し

鍛造時にばらついた鋼の厚みを均一にする作業。

7裏研ぎ

鍛造時にできた黒皮を取る研磨作業。

8生ならし

槌で叩きながら裏を造る。

9整形

グラインダー等で形を整える。

10生研ぎ

裏をグラインダーで磨く作業。

11銘入れ

商標等を刻印する。

12泥塗り

焼き入れ時に均一に焼きが入るように泥(砥の粉)を塗る

13焼入れ

780~800℃に加熱し水に漬けて急冷し、鋼を硬くする作業。

14裏上面仕上げ

上面(鋼以外の裏部分)を色付け、磨き等の加工をする。

15焼き戻し

180℃に加熱し、鋼に粘りを持たせる。

16歪取り

仕上げの歪を取る。

17焼研ぎ

裏面のバフで磨く作業。

18木砥研ぎ

木製砥石で裏面に光沢を出す。

19刃付け

荒砥石、中砥石、仕上げ砥石を使い刃を付ける。

20台打ち

樫を使い鉋刃を台に据える。

完成

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